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瑠璃羽の日記帳 ここは  銀誓館学園の生徒、風音瑠璃羽の日々の日記です 『シルバーレイン』は、現代日本を舞台に 能力者である学生 となって多くの仲間と協力し ゴーストや来訪者の脅威を振り払う 学園伝綺PBW(プレイ・バイ・ウェブ) 興味のない方は、バック、バックw

   
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ふと…思い出したこと

カミナリが鳴り響く夜はふと思い出す

まだ、私が幼かった頃……初めて『それ』と出合った日のことを



(※ 過去回想録になります)


6歳の誕生日を迎えたばかりの私は母親の実家のある京都の田舎に来ていた
のどかな田園風景が続くのんびりした何処にでもあるような田舎で古くからの旧家として有名だった
祖母の実家は昔物語に出てくるような大きなお屋敷で私は好きだったんだ

「瑠璃羽、あまりあちこち触っちゃだめよ?」
「は~い!」
古い家は6歳の少女にとって古く珍しいものがいっぱいでいつも好奇心の塊となって屋敷の探検を
目を輝かせ、走り回る。
座敷に飾られた兜に手を伸ばし被って見たり、床の間の掛け軸をめくってみたりと忙しい
「るりちゃんは元気やねぇ」
にこにこと祖母も孫の姿を微笑ましそうに眺めては目を細める
しかし昼過ぎには、あらかた屋敷を探検し終わった私の好奇心は何時しか庭へ向く
大きな松の木や庭石に四季折々の花を咲かす木々や草花がおいでと手招きしてるようだ
中でもこの季節目を引くのは満開のピンクの花を咲かすさるすべりの木
つるつるとした手触りの木肌にはらはらと風に舞うピンクの花吹雪はキレイで何時までもじっと眺めたり
この木の下で昼寝をしたりするのがお気に入りだった
いつものようにさるすべりの木の傍へ行って零れ落ちた花びらを拾い集めては宙に放り投げる

ぱぁっ

ふわりふわりとピンクの小さな蝶が舞う
夢中で何度か同じ様に集めては放り投げ…舞うピンクの色に瞳をきらきらさせ釘付けになる
その中の一片がふわっと高く舞い上がる
「あっ」
ふわふわ……ふわふわ…それは瑠璃羽の元へ落ちることなくさらに高く舞う
「……まって!」
見失わないように・・・・何時しか花びらを追いかけはじめる
不思議なことに花びらはある箇所へ誘うように飛び続け
すぅっ・・・・・・
白壁の小さい建物の小窓に吸い込まれるように花びらは消える
「あっ……お倉に入っちゃった……」
夢中で追いかけていたものが消え少し残念そうに呟く
「……むぅ」
諦め切れなくてなんとなく倉の入り口に視線をやると、いつもは固く閉ざされ、錠がされたそこは
開け放たれ、まるで瑠璃羽を誘うように好奇心をくすぐる
普段の瑠璃羽なら暗い倉には近付かないだろう
だけど、この日は不思議に暗闇も怖く感じられなかった

「わぁ・・・・すごい・・・・」
初めて入った倉の中は薄暗くひんやりとして静かだった
外ののどかな世界と切り離された別世界のようだった
所狭しと積み上げられた大小の箱や何に使うかわからない道具が置かれ、さらに好奇心をくすぐる
「んっと・・・何に使うんだろ?」
興味を引かれるままに…何かに引き寄せられるように瑠璃羽はどんどん奥へ進む
すっ・・・・ほの暗かった倉が突然、真っ暗になる
「!?」
明かり取りからの光が消えたのだ
折りしも、外は急激に曇り太陽を覆い黒い雲がごろごろと今にも大粒の雨を降らそうとしている
「ふぇ・・・・真っ暗・・・・怖いよぉ」
急に訪れた闇……さっきまでの元気は消え暗い闇に怯え今にも泣き出しそうになる
手探りで進もうとするが見えない恐怖で足がすくみ上手く歩けない
と・・・そのとき ピカッ!ガラガラ ピッシャーン!!
一瞬、まばゆい光と共に大きな轟音が鳴り響く
「Σ きゃぁー!!!」
ガタガタッ ガタンッ!!
カミナリに驚いき何をどうしたのか・・・・・・気がつくといくつかの積み上げられた箱を押し倒し
自身もまた崩れた箱の中に倒れていた
「えぇーん・・・・ひっく・・・痛いよぉ・・・・怖いよ・・・」
ピカッ ガラガラ ドッシャーン!!!ガラガラ・・・・
カミナリはその勢いをますます増して、瑠璃羽の恐怖を増幅させる
動くこともできずに幼い身体を丸めてガタガタと震える

『・・・・・・・・・・・・・。』

何かが聞こえたような気がした
泣くのをやめ静かに耳を澄ませる

『・・・・・・・・・・・・・・。』

間違いない、何かが聞こえる

『・・・・・・・・・・・・・・。』

ピカッ!!!
そのとき再びカミナリの稲光が倉の中を照らす
「Σ あっ!」
照らし出された先に一振りの日本刀が浮かび上がる
黒く輝くような龍をその身に纏った刀
次の瞬間瑠璃羽はその刀を手に取り抱きしめる・・・・・・・やっと出会えた・・・・・・
何故だか、心の中でそう思う 
不思議と、もう怖くは無い



次に目を覚ましたときは布団に寝かされ、枕元には倉で見つけた黒龍の剣が置かれていた
母親に聞けば日が暮れても姿が見えない瑠璃羽を屋敷のもの総出で捜索していたとか
倉の前にさるすべりの花びらが落ちていてまさかと中を探したら
奥で黒龍の剣を抱きしめ、すやすやと眠る瑠璃羽を見つけたのだそうだ

その日から瑠璃羽は【黒龍雷刃剣】を譲り受け正式な持ち主となり、剣を振るうことになる
 

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